気まぐれ本虫―きまぐれぼむ―
蔵書を気まぐれに紹介する、
エッセイ風味雑感 and 備忘録
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■ 公爵(ウェリントン)と皇帝(ナポレオン)
![]() | 公爵(ウェリントン)と皇帝(ナポレオン) ジョン・ストローソン/新潮社 1998-10 定価:2,500円(税別) |
センター試験で世界史67点という芳しくない成績を取った身ではあるが、歴史そのものにはとても興味がある。
そういうわけで大学に進んでのち、英国史の講義を選択した時に先生に薦められて読んだのがこの本。ナポレオン関連の書籍は数あれど、ウェリントンの詳細が載ってる本は珍しいよ、と差し出され「このほっぺの赤い坊ちゃん面がウェリントンか」というのが第一印象。今思えばなんて失礼な一言を。
中身はかの有名なワーテルロー(ウォータールー)の戦いで雌雄を決した二人の生い立ちとか人生とか。歴史考察と偉人伝を混ぜたような感じで、すいすい読めてしまう。気持ちいいなあ。
読むまでウェリントンとナポレオンが同じ歳だってことすら知らなかった私は、この本を読んで「はあ」とか「へえ」とか、そんな情けない感動の言葉しか出てこなかった。やはり、歴史に名を残す人ってのは違うのね。至極一般人の私にはとうてい真似できないような人生だ。
世界史の授業で18世紀後半ヨーロッパといえば、やはりナポレオン中心で話が進んでしまうわけだけど、これはどちらかというとウェリントン寄り。著者が英国の軍人だそうで、無理もないかなと言ったところ。それでウェリントンが先に名前が挙がってるんだな。
だが、それが逆にこの本に他にはない色をつけている。何がすごいって、まるで見てきたかのような戦略解説の数々。相手がこう出るならこちらはこうだと言わんばかりの、ウェリントンとナポレオンそれぞれの頭の切れの見せ所がばっちりしっかり書いてある。
くさい宣伝文句をつけるなら「名将とはかくあるべきである」といったところか。
あと際立つのがライバル関係。今まで色んな本でいわゆる「ライバル」って人たちを見てきたけれど、ここまで清々しいライバル関係というのはなかったと思う。ゆえに、読んでいると俄然燃えてくる。(これは著者の思惑にはまった典型かもしれないけど、面白いからそれでいいの)
「歴史関係なんて興味ないね」という人には「ライバルのバトル本です」と言って読ませても差し支えない、そんな熱い一冊。
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みや/女性

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本のタイトルを覚えないがゆえに、持っている本を再び買ってしまうという悲しい脳みその持ち主。
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