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気まぐれ本虫―きまぐれぼむ―
蔵書を気まぐれに紹介する、 エッセイ風味雑感 and 備忘録
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 ■ お江戸吉原ものしり帖
お江戸吉原ものしり帖お江戸吉原ものしり帖
北村鮭彦/新潮社 2005-08
定価:540円(税込)

 1987年出版の「吉原ホログラフィー」(北村一夫名義/六興出版)の改題だとか。そちらは未読。
 吉原という単語に反応して「さぞピンクなことが」と想像して読んだら絶対に損をする。でも「吉原っていったい何だったの?」という疑問のベールを剥がすには、お釣りが来るほど役立つ本。
 遊女ネタを書こうかしらなんて思って、基礎知識のために購入したけど返り討ちにされた。とんでもない集団だわ、吉原って。現代人の想像の斜め上をいってる完全な異世界。自分の常識がまったく通用しない、それをまざまざと見せつけられた気分だ。
 そしてそう感じた通り、あまりにも専門用語(?)が多いので、注釈がなければきっと読み進められなかっただろうと。落語やらに慣れ親しんでいる人は、きっと「ああ、アレね」で済むものかもしれないが、私の場合、そういったものをとんと聴かない上に知識が一般レベル以下なので、注釈を読みつつ頭の中でこなしつつ、ようやく読み終わったというのが本当のところ。揚屋差紙と言われても、一瞬何のことだかさっぱりわかりませんがな。

 そういうわけで、一周目はとにかく単語の意味を探り、二周目で何とか文章を把握、三周目にしてようやく「楽しんだ」レベルになった。
 風習やら服装やら、どれも一筋縄ではいかない世界ではあるけれど、それを一つずつ解説してくれるからまた嬉しい。各章の間々に挟まっている「一口話」では、有名な遊女さん(といっても私は知らない)の紹介もしてくれる。
 もちろんメインは、その歴史や構造、遊び方、内輪話と内容盛りだくさん。「こんな客は嫌われる」なんて、思わず「そりゃそういう奴はいかんよなあ」と頷いてしまうところもあり、客をつなぎとめようとする遊女の気合としたたかさに思わず噴出したりと、まったく飽きさせない。こんな膨大な情報をこの一冊に詰め込んだ著者の腕に感服。
 ただ、読んでいると「男って間抜けだなあ」と思わずにはいられなかったりして。もちろん遊びの範疇で、と申し訳程度に付け加えておくけど。
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