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気まぐれ本虫―きまぐれぼむ―
蔵書を気まぐれに紹介する、 エッセイ風味雑感 and 備忘録
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 ■ からだを読む
からだを読むからだを読む
養老孟司/筑摩書房 2002-09
定価:714円(税込)

 「養老孟司っていったら『バカの壁』でしょ。何この本」と思われるかもしれないが、断然私はこの本を推す。何でって、面白いからに決まってる。
 解剖学のエッセイ、という分類らしいが、はっきりいうと、完全に解剖学入門のような本だ。よってそこかしこに断面図・解剖図がある。専門用語もばかすか出てくる。読んでるうちに退屈してしまいそうな、至極真面目な話ばかり書いてある。いや、話というのもおかしいかな。肉体の解説が書いてある、に訂正。
 口から始まり肛門で終わる人間の消化器官にスポットを当て、その働きや機能を詳しく述べている。もう本当にそれに終始して、たまに寄り道話を挟んで、ただひたすら肛門を目指す。それだけの本。授業で聞いたら、よほど熱心にしていない限り眠ってしまうね。断言できる。
 しかし、本で読むと違ってくるんだ、これが。ものすごくストレートに頭の中に入ってくる。「読む」という行為ですでに集中させられてたのか、と気付いたのはあとがきまでしっかり読んだあとだった。
 読んでる間中、耳元で誰かが「ねえ、すごいでしょ。人間の体ってすごいでしょ」と言うのを延々聞きながら、小さなポッドに乗って体の中を旅している感覚に襲われ、息もつかず読んでしまった。集中力続かない方なのに、と言ってみても遅い。読んじゃったんだから。
 なぜ医学部に行かなかったのかといまさらながら後悔した。

 おかげで、この本を読んで以来、自分の体が気になって気になってしょうがない。物を噛めば「今ここが動いてるんだな」と意識をやり、飲めば「今、胃のここら辺を通過したな」と考え。
 何だかありがちな表現で申し訳ないけど、この一言に尽きる。生物の体は芸術だ。最高の芸術だよ。
 一つ残念なことがあるとすれば、著者がこれの続きを書く暇がないと言っていることか。この調子で循環器等も読みたかったんだけど。
 生まれ変わったら書くとのこと、失礼を承知の上で、早く生まれ変わってくれないものだろうかと思わずにはいられない。
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