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気まぐれ本虫―きまぐれぼむ―
蔵書を気まぐれに紹介する、 エッセイ風味雑感 and 備忘録
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 ■ 世界遺産年報 2006
世界遺産年報 2006世界遺産年報 2006
日本ユネスコ協会連盟/平凡社 2006-03-25
定価:1,050円(税込)

 TB本舗のお題に便乗して。夏休みの旅行計画といえば、やっぱり行きたいのは知床。
 いつもは札幌で友人と遊んでいるが、ちょっと(という距離ではないが)足を伸ばして、オホーツクの風に吹かれながら夏を堪能。贅沢この上ない。

 さて、この本。年報ということで毎年出てるんだけどその最新版。特集のほかにもいろいろあって、世界遺産好きにはたまらない毎年の楽しみ。もちろん「蔵書紹介」の通り、私も買っている。今年も予約して買ったとも!
 見て楽しむだけもよし、これを元にマイ・世界遺産ツアーなど組んでみるもよし、危機遺産の現状を憂い、修復・保存に携わる人々への感謝の念を抱くもよし。十人十色の楽しみ方ができる。
 「世界遺産を知る」ための本といっても差し支えない内容で、載せられている写真はどれもダイナミックかつ美しい。地球ってすごいなあ、文明ってすごいなあと、見るたびに感動して飽きない。
 1960年、エジプトのアスワンハイダム建設がきっかけになってできた世界遺産も、いまや登録数800を超え、今もなお増え続けている。
 日本でも13ヶ所が指定されている。以下参照。

1993年
法隆寺地域の仏教建造物(奈良県/文化遺産)
姫路城(兵庫県/文化遺産)
屋久島(鹿児島県/自然遺産)
白神山地(青森県・秋田県/自然遺産)
1994年
古都京都の文化財(京都府京都市、宇治市、滋賀県大津市/文化遺産)
1995年
白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県/文化遺産)
1996年
原爆ドーム(広島県・文化遺産)
厳島神社(広島県・文化遺産)
1998年
古都奈良の文化財(奈良県・文化遺産)
1999年
日光の社寺(栃木県/文化遺産)
2000年
琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県/文化遺産)
2004年
紀伊山地の霊場と参詣道(三重県・奈良県・和歌山県/文化遺産)
2005年
知床(北海道/自然遺産)

 一部を除いたら割と簡単にいけるところばかり。すでに観光地として名を馳せているところも多いので、案内ももちろん多い。
 私としては近隣地域が多いのがありがたいと。姫路城なんて、ふらっと車で行ける距離。車で行く世界遺産って、ちょっとよろしい感じに聞こえないか。
 しかしあそこは四月六日に行くに限る。無料万歳! 桜も見ごろ。
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 ■ 緋色の研究
緋色の研究
コナン・ドイル/新潮社 1953-05
定価:380円(税込)

!! ネタばれあり
 ホームズを語りだすと止まらないので、聖典はこの一冊こっきり紹介。聖典はあちこちの出版社のものを所有しているんだけど、読み直す時はたいていこの新潮文庫のものを読み返している。ただ単に故・延原氏の翻訳が好きなだけで他に理由はない。残念なのは、新潮文庫には「シャーロックホームズの叡智」という聖典にはない巻があるということか。とは言っても、内容は分量の関係で収録しきれなかった短篇が入っているだけなので、各短篇の収録巻名を覚えていれば何も問題はない。

 さて、緋色の研究は記念すべきシャーロック・ホームズシリーズの第一弾である。そりゃもう心が躍りますとも。最初にきちんとホームズとワトソンの出会いが描かれているんだから。
 偶然会った元助手スタンフォード青年に連れられて、ワトソンは古巣の聖バーソロミュー病院へ。そこで、新しい血液判定法を見つけておおはしゃぎの男と出会う。それが何を隠そう、シャーロック・ホームズ。
"You have been in Afghanistan, I perseive."(アフガニスタンにいってられましたね)
 そうして握手を交わした二人は、ベイカー街221Bに下宿をすることになる。そう、あのハドソン夫人の下宿に。そうこうしているうちに事件が持ち込まれる。現場の空き家に残された手がかりは、足跡と壁に血で書かれた"RACHE"の文字のみ……という筋書き。レストレード、グレグスン両警部も登場。熱い推理(「Rachelだ!」とか)を披露してくれる。
 何回、何十回と読み返しても、このレギュラーメンバーが顔を合わせる空き家のシーンはぞくぞくする。「さあ、ホームズが始まるよ!」という興奮が抑えられない。まあ、「シャーロック・ホームズ」のお話なので、スコットランドヤードチームは敗れてしまうのだけど……。
 前半はホームズの華麗な(たまに矛盾点を含む)推理披露、後半は「なぜそのような事件に至ったのか」という物語。この方法は同じく長篇「四つの署名」、「恐怖の谷」でも使われている。ドイルの得意な方法なんだろうか。
 当時の偏見や新大陸の様子など、時代を感じさせる部分もあり、そんなにも長くないのでさらさらと読んで――いくと、重要な手がかりを逃してしまう寸法。初めて読んだ時、さっさと読んで最後に「えっ、えっ?」となったのも今はよい思い出。短篇ではさらに省略されまくっているので、推理しながら読もうとすれば、かなりの集中力が必要。でも、手の込んだトリックはほとんどないので、読みやすいといえば読みやすい。私が、手の込んだトリックよりも探偵が走り回っているミステリが好きなのは、間違いなくシャーロック・ホームズの影響がある。
 ところでこの作品、ホームズの失敗も描かれているんだなあ。ホームズの失敗といえば「五つのオレンジの種」や「黄色い顔」の"Kindly whisper 'Norbury'."が有名だけど、何がすごいって、しょっぱな第一弾から主人公に失敗させるドイル氏……。普通、できねえずら、そんな恐ろしいこと。
 「捜査は一筋縄ではいかないよ」ということだろうか。肝に銘じておきます。

 最後に、色んな作品でちょっととろくさいおじさん、という描写の多いワトソンだけど、絶対にそんなことはないとここで主張しておく。
医者といえば、当時の階級でいえば中産階級の上位よ。元より、かなり頭がよろしいわけだよ。
 ただ、そのすぐ横に脳みそ使うのだけが生きがい!って変人がいるので、そんなに目立った人間に思えないだけだと。比較の問題。
 まさか、シャーロック・ホームズ最大のトリックは、この「ワトソンが一般人に見える」ではないのだろうか。

 ■ 鼻ほじり論序説
鼻ほじり論序説鼻ほじり論序説
ローランド・フリケット/バジリコ 2006-03-08
定価:1,050円(税込)

 ある日、新聞広告を見て「まーた『ガンを治す植物』とか書いとるわ」と思ったら、その横に燦然と輝く「鼻ほじり」の文字。
「セックスよりも愉しく、しかもリスクなし!」
 そんな謳い文句にしょっぱなから「鼻血出るやろが」と突っ込んだのだが、妙に頭から離れず、数日後、とりつかれたように本屋へ走ってしまった曰くつきの本。まさしく鼻ほじりの魔力。
 ちなみに原書はこちら↓
Nosepicking for Pleasure: A Handy GuideNosepicking for Pleasure: A Handy Guide
Roland Flicket Jon Higham/Little Brown UK 1995-10-05

 タイトルからしてふざけているのは丸わかりだが、中身はもっとふざけている。本当にこんな本出してしまっていいのか。いやいいのだ。だって原書はイギリスだから。紳士淑女たるもの、ジョークの一つも流せないようじゃね、と暗に言われているような気になってくる。
 ならば私だって、と挑んだわけだが、いやはや鼻ほじりは思っていたよりも深い。素人が一日二日で極められるような技ではないのだ。私たち庶民はまず、鼻に指を突っ込んで、きれいに鼻くそを取り出すことから練習しなければいけない。そこからさらに「丸める」「弾く」といた高度な技術を習得していかねばならない。
 「何をくそ」とさらなる高みを目指して精進するのもよし、第一章を丹念に読み理解を深め、鼻ほじりの歴史について自分で考察してみるもよし、巻末のホロスコープで気になるあの人の鼻ほじりを追及するもよし。楽器のできる人は、鼻ほじりのマーチを演奏してみるのもいい。ピアノやギターでsing and play。自分だけの「鼻ほじり論の楽しみ方」を見つけることが、この本の最大の目的なのかも。
 ちなみに私は綿棒で優しく絡める派。著者からすればきっと邪道なんだろうなあ。

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